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土地を共有ではなく分割して相続する

土地を共有ではなく分割して相続する

土地を遺産相続した場合、各相続人の固有の財産として認めるため、「分割」するという方法と、分割しないで相続人全員で「共有」する方法があります。

共有とは、相続財産の現物分割が困難でその他の分割も望まない場合に、相続人それぞれが取得するのではなく、2分の1や3分の1といった割合で相続する方法です。

相続財産によっては、共有でなく、分割したほうが、相続税額を減額できる場合があります。ここでは具体例を用いて説明しましょう。

相続した土地を分筆して遺産分割する流れ

①土地の測量
土地の地積を正確に知ることが重要です。
土地家屋調査士に依頼して「測量」を行いましょう。
②分筆登記
測量の完了後、土地家屋調査士に分筆登記を依頼しましょう。
③地番の確認
分筆登記が完了すると、土地に地番が割り振られます。
登記簿と公図を活用し、地番を確認しましょう。
④遺産分割協議
相続人の間で、どの土地を誰が取得するのかについて協議します。
⑤相続登記
遺産分割協議で決定した内容について、司法書士に依頼し、法務局に対して相続登記の申請をしてもらいます。
⑥土地の分割完了
相続登記が完了次第、土地の分割が完了します。

分筆後に遺産分割協議を行わなければならない理由

分筆→遺産分割協議の順番に対応していくことが重要です。

逆に「遺産分割協議→分筆」の順にしてしまった場合、別の手続きが発生したり、余計な税金がかかるという明らかなデメリットがあります。

具体的には交換登記が発生する場合です。

交換登記には登録免許税や司法書士報酬が発生しますし、不動産取得税もより多くかかってしまいます。

必ず分筆をした後に遺産分割を行うという流れを守りましょう。

プラン① 相続人で土地を共有した場合

遺産分割協議により下記の図の土地を兄1/2・弟1/2の共有で相続しました。

この場合、相続納税対象額は、兄弟それぞれ5億円で、合計10億円が課税対象となります。

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プラン② 真ん中で分筆した(二つに分けた)場合

真ん中で分筆した場合、それぞれの土地が別個に利用される土地(利用単位)と考えます。

そのため相続納税対象額は、別個に評価されます。

ゆえに、兄の土地は5億円(=100万円×500㎡)ですが、弟の土地は2.5億円(=50万円×500㎡)です。

この場合、兄と弟は別の所有者とみなされるので、結果として二人合わせての評価額は7.5億円になります。

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相続した土地を分ける4つの方法

ここまで本記事をお読みいただいた方にはよくお分かりのように、土地などの不動産を公平に分割することは非常に難しいです。

分割が難しい土地のような財産を分ける方法を4つご紹介します。

現物分割

現物分割とは、遺産をそのままの状態で分割して相続する方法で、相続を考える際のオーソドックスな考え方です。

土地の場合であれば、相続人の人数に応じて土地を分筆して相続という流れになります。

しかし、接道義務を満たさなくなったり、自治体が定める最低敷地面積を満たさなくなる場合があり、実際には現物分割はあまり行われません。

代償分割

代償分割とは、複数の相続人のうちの誰かひとりが不動産などを相続する代わりに、ほかの相続人に対して相続割合分の代償金を支払うという分割方法です。

1人が土地を相続し、他の相続人には金銭を払うことで、土地を公平に相続するということです。

家業に活用していた場合などには「小規模宅地等の特例」が適用され、節税も見込むことができます。

他の相続人に対して支払うことになる代償金を用意することが可能な場合には有効な分割方法になります。

共有分割

共有分割とは、遺産となる土地を相続人全員の共有とする分割方法です。

共有にすることで、公平な相続と言えますが、将来的にトラブルが発生することもあります。

換価分割

換価分割とは、遺産となる土地を売却し、売却金額を相続人で分割するという分割方法です。

売却にあたり仲介手数料がかかる、相続人全員が土地の売却に合意するといったハードルを乗り越えることができれば、有効な分割方法になります。

結果

プラン②の場合、7.5億円に対してのみ課税され、プラン①よりも2.5億円少なくなります。つまり相続開始後での遺産分割のやり方次第によって、相続税に差がつくのです。


※注意
しかし更地でなく、例えば、全体が一棟の建物の敷地なら結果は違います。一棟の建物の敷地は二人で分けても、ひとつの利用単位のままとなりますので、注意が必要です。

>>不動産の共有化対策について

>>遺産分割方法について

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